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ハイデルベルグの古ジョッキ
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塚越 敏雄(8期) |
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研修の終り近く、2週間の復活祭休暇を利用して、パリ、ロンドン、フランクフルト、インターラーケンを列車で回ってトリノに戻る研修旅行があった。全行程2等車だが、目的地では安ホテルに泊まれるのが少し増しという旅である。
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![]() ハイデルベルク駅にて |
![]() ハイデルベルク城からネッカー川を望む |
1924年初演のブロードウエイ・ミュージカル「学生王子」はシグモンド・ロンバーグ作曲、ドロシー・ドネリー作詞・脚本で、20年代の最長ロングラン上演回数608回を記録した。ミュージカルといったが、オーストリア移民のロンバーグ自身はオペレッタを書いた積りだったかもしれない。作品誕生のいきさつは1955年の彼の伝記映画「わが心に君深く」に描かれているが、この題名自体が「学生王子」の中の曲からきている。オペレッタ「学生王子」は無声映画時代から何回も映画化され、日本では1954年の作品が「皇太子の初恋」の題名で公開された。 |
この映画を私は横浜のオデオン劇場で見て、アン・ブライスのフアンになったが、皇太子役の歌がマリオ・ランツアとは菅野先輩に聞くまで知らなかった。このオペレッタの原作がヴィルヘルム・マイヤー=フェルスターの「アルト・ハイデルベルク」という戯曲である。 明治時代にはすでに日本に紹介されており、宝塚歌劇団の定番でもあったという。私自身は、家にあった雑誌に岩田専太郎風の美男・美女の挿絵付きで掲載されていたのを、中学時代に読んだ記憶がある。映画では、夏の宵に夜のネッカー川のほとりを散歩しながら、ケティに皇太子がセレナーデを歌うのが山場だ。 |
![]() ネッカー川畔 |
40年を超えた古ぼけた陶製のジョッキは、妻から邪魔だから捨てろと言われてしまったこともあるが、このジョッキに恵比寿ビールを注いで呑めば、映画のアン・ブライスの面影や学生団の男声合唱(学生歌・ドリンキング ソング・ディープ イン マイ ハート)の歌声がよみがえってくる貴重品なのである。 (リレー先は交渉中/2015年1月31日) |
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編集部 1年半経ってもバトンの渡し先が見つからない。いや、見つけないのか。「自分で書きなさい」ということになった。次の稿がこちらにあります。⇒3人のシュトラウス (2016/9/24) |
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