リレー随筆コーナー
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私が住む浜松市は言わずと知れた音楽の街。ヤマハやカワイ、ローランドをはじめ楽器メーカーが多数あります。地方都市では珍しい高さ212mのアクトシティ浜松には四面舞台を持つホールがあります。ここで3年に一度開かれる「浜松国際ピアノコンクール」は、今年の直木賞作品「蜜蜂と遠雷」の舞台とされており、来年11月の開催が期待されています。 器楽だけではありません。今年11月には「静岡国際オペラコンクール」があります。11日から予選が始まり19日には本選が行われます。若手オペラ歌手の登竜門として注目されているこのコンクール、今年は本選を聴きに行くつもりです。
秋の浜松は音楽にあふれています。先週末(10月7-8日)には11回目となる「やらまいかミュージックフェスティバル」(「やらまいか」は遠州弁で「やってみよう!」の意)が行われ、浜松市内のあちこちでストリートミュージシャンが演奏を楽しんでいました。さらに来週14日から22日には「浜松ジャズウィーク」が開催されます。こちらもプロからアマまで多くの団体により、街中が音楽一色に彩られます。
ジャンルは全く異なりますが「秋祭り」も忘れてはいけません。ここ遠州地方では10-11月にかけて毎週どこかでお祭りが行われています。豪華な屋台に積まれた大太鼓の勇壮な響きと郷愁を誘う笛の音は、この地に伝統的に根付く音楽文化を物語っています。私も7-8日に地元のお祭りに参加しました。残念ながら太鼓も笛もできないので、ひたすらお酒を飲んでいるだけでしたが・・・。 浜松市は「ユネスコ創造都市ネットワーク(音楽分野)」に加盟しています。音楽分野の加盟都市はイタリア・ボローニャやスペイン・セビリア、ドイツ・ハノーバーなど世界19都市。日本では浜松市だけです。浜松市は近年「音楽の街」あらため「音楽の都」と呼んでシティプロモーションに努めています。 話は跳びますが「浜松市歌」をネット検索すると、浜松市のサイトで聴くことができます。これを歌っているのは浜松出身のバリトン歌手 牧野正人 氏。私が楽友会在籍中に指導してくださった、当時、国立音大大学院の学生だった先生です。卒団以来お会いしていませんが、一度お目にかかりたいな〜と思っています。 そんな環境にいながら、現在、音楽にほとんど縁のない生活を送る日々です。楽友三田会のHPで多くの方々がアクティブに音楽に関わっていらっしゃるのを拝見し、ふと寂しくなってしまいました。 1984年に楽友会を離れたあと、1991年から浜松に居を移し30代前半は浜松市内の合唱団で“栄光のテナー”を謳歌。「第九」や「カルミナ・ブラーナ」では練習ソリストもやり、市民オペラのソリストに応募したことも・・・(あえなく落選)。その後少人数アンサンブルに目覚めコンクールにも出場しました。 30代半ば、とあるコンクールで「アンサンブルの足を引っ張った・・・」と自覚したのが合唱から足を洗ったキッカケでした。仕事でなかなか練習に行けない中迎えた本番、「昔から本番に強い・・・」などとおだてられて臨んだものの、案の定ピタッとハモらなかったこと、今も悔しい思い出です。 以来約20年。最近はもっぱら式典で「君が代」と、年に数回、地元三田会で「若き血」を歌うくらいで、合唱はおろかカラオケも縁のない日々を送っています。しかしみなさんのエッセー、特に柳先輩のアンサンブルのくだりを読んで若き血がフツフツと蘇ってきました。 こうしてリレー随筆に書かせていただいたのも何かのご縁でしょうか。東京のみなさんと一緒に歌うのは難しいでしょうが、久しぶりに浜松の仲間に連絡を取ってみようかな・・・と思っています。 先日、慶應義塾創立125周年記念式典「祝典曲」を聴きました。私が大学4年の1983年5月15日に5500人の参加者を迎え日吉記念館で演奏されたものです。楽友会の定演はもちろん印象深いのですが、この歳になるとあらためて「塾」の存在の大きさを強く感じます。
CDプレーヤーから流れる祝典曲を聴き、楽友会の思い出、そして塾の伝統が鮮やかに蘇ってきました。 「慶應は卒業してからその良さがわかる」 最近、浜松三田会の関係者からうかがいましたが、まさにその通りですね。 拙文をお読みくださった皆様、ありがとうございました。ぜひ、音楽の都 浜松にお越しください。浜松の魅力は音楽だけではありません。NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台として、さらにうなぎや天然とらふぐなど食の宝庫としてもお楽しみいただけます。お越しの際はご遠慮なく私までご一報ください。とっておきの浜松をご紹介させていただきます。 (2017/10/9)
遅くなりましたがバトンパスの相手と連絡が取れました。 ■ ■ ■ ■ ■ |
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