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■■■■■■■ キーチェンジの失敗談 |
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その歌を唄わせる歌手が初めから決まっている場合には、その歌手の音域からキーが決められる場合もあります。女性と男性では4度ないし5度程度の差があります。もちろん、男性のキーが低いのです。 |
私が普通Ebで唄う歌だとすると、うちの家内はBbで唄います。これも、アレンジ、フェイクの仕方、つまり唄い方によってもキーが変わります。私自身、同じ歌でもCで唄う場合とEbで唄う場合があるのです。 昔は譜面は手で書きました。現在はパソコンのソフトで楽譜を書くのが当たり前になっています。何10種類ものソフトが開発されましたが、「Finale」というアメリカ製のソフトが世界標準です。
彼女はそんなに高い音では歌えませんから、普通より低めのキーで用意してやらないとなりません。
はい、こうして出来上がった譜面は何と嬰へ長調(F#major)の譜面となりました。曲名は何だったか忘れましたが、2人で西麻布のピアノバーに来てこの譜面をピアニストに渡しました。 「え〜っ!!」 そりゃあビックリします。
ジャズミュージシャンはどんなキーでもCメロの譜面を見て演奏してしまいます。しかし、F#なんて#が6個もあります。F#,G#,A#,B,C#,D#,E#,F#でドレミファソラシドとなります。普通は誰でも嫌がります。彼らはそういうことはご存じなかったのです。 50年代にポップコーラスのThe Diamondsが大ヒットさせた”Little Darlin'”は何と同音異名のGb長調だったのです。bが6個です。このキーにした理由があるのです。想像がつきますか?私は昔から気がついていました。ピアノの伴奏を聴けばすぐわかることです。何ていうことはない、ただ黒鍵だけでグリサンドをしたかったからです。 パソコンのことを知っていても音楽のことを知らないと、この手のことは上手くいきません。逆も同じです。でも、こういう笑い話のような失敗をすることは貴重な経験といわなければなりません。これと同じ失敗をしでかした人が他にいると思われますか?しかしながら、彼の考えた方法は金はかかりますが、なんとも素晴らしいアイディアだったのです。自分では上手くいってほくそ笑んでいたものと思われます。
これに満足できない歌好きのために、ピアノバーとかバンドで伴奏をする生オケの店が生まれた。こういう店に出入りする歌好きは、自分に合ったキーの譜面を持ってくるのだ。そういう譜面書きをしてくれるミュージシャンがいて、お小遣い稼ぎをしている。 (2018/5/7・かっぱ) |
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