慶應義塾楽友会は高校生と大学生で構成されています。一つの会で7年の巾があるのが楽友会の特徴であり、長所でもありました。しかし、それは会員数も少なく、大学生・高校生の別なく皆がお互いによく知りあっていた時、又、大学が高校に多くの面で依存していた時の話で、現在のように高校と大学の会員数の比も変わり、高校楽友会の出身者でない会員が多数を占めてくると、それまでは現れてこなかった問題が出てきました。
その問題とは、今までは長所と考えられてきた7年間という学年差、年齢差による人間関係の問題と組織上の問題と考えます。高校と大学が一緒に活動するには時間的にも多くの制約があります。高校の会員数が伸びないのは、活動が大学と一緒だからではないだろうか。同様に、大学の会員が途中で辞める原因の大きな部分を占めるのが高校と活動が一緒だからではないだろうか。又、組織的には一体にもかかわらず、高校楽友会は独自の活動を行っているのに対し、大学にはそれが無かった。
そこで、こうした事態を改善する一つの方法として次の事柄を提案します。一口でいえばそれは楽友会の中で高校と大学の活動を独立させること、そしてそれを確認することです。
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慶應義塾楽友会の名称の下に高校楽友会と大学楽友会を別個に設ける。従って一般活動は別々に行う。 |
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慶應義塾楽友会の定期演奏会には高校楽友会のステージも設ける。 |
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夏季合宿は原則として一緒に行う。 |
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慶應義塾楽友会の幹事は高校生と大学生で構成する。一般活動は別々に行うから、この幹事会は高校と大学の各活動の連絡、協議、調整機関的な機能をもつものとする。これによって従来の垂直的関係が水平的関係となり、相互補完的関係に進めると考えます。 |
高校と大学との完全分離も考えられますが、今後の楽友会の発展の為にも、それは避けたいと思います。
(「楽友」第19号/62年4月発行より) |