第2ステージでは、学生指揮者の藤田育也による大中恩作曲、やなせたかし作詞による
混声合唱組曲「ただそれだけのことなのに」を演奏いたしました。この曲集のテーマは様々愛。愛といっても歌詞は直情的ではなく、むしろ寧ろ日常の中で育まれる愛情を歌い上げたものが多いです。学生指揮者の藤田(通称ポンタ)のエネルギッシュな指揮の下、心をこめて歌わせていただきました。
第3ステージでは、蓬莱泰三脚本・演出 作曲吉川和夫
による合唱劇『マユコの森』を演奏いたしました。脚本を書かれた蓬莱泰三先生自らが演出をつける、初めてのステージという栄誉に浴することができました。マユコの森のテーマはいじめであり、昨今社会問題にもなっている極めて重たいテーマです。これを如何に舞台で、合唱で表現するかという問題と格闘しながらも、蓬莱先生と共に作品を作り上げていく楽しみを皆で共有しながら練習を重ねてまいりました。蓬莱先生は御年85歳ながら、作品作りに対する情熱はお年を感じさせません。また戦時を経験なさった方でもあり、蓬莱先生との練習は団員にとってまたとない貴重な機会でした。演奏会当日は平日中日にも関わらず、700名以上のお客様に恵まれ、演奏は大変な好評を博することができました。
末筆ではございますが、楽友三田会の皆様には日頃よりご指導ご鞭撻を賜っていますこと、現役を代表して改めて感謝申し上げます。特に定期演奏会時においてはチケット購入やパンフレットへの広告など特に手厚いご支援をいただき、大変有難く感じております。今年度は61期〜64期が作る楽友会となります。先輩の贔屓目かもわかりませんが、皆それぞれ楽友の活動に真摯に向き合っている後輩ばかりですので、何卒皆様の変わらぬご支援のほどよろしくお願い申しあげます。