慶應義塾大学混声合唱団楽友会

慶應義塾大学混声合唱団楽友会
第63回定期演奏会
報告


高山 一光(60期・幹事長

ご無沙汰しております。昨年12月の第63回定期演奏会まで現役の幹事長でした、高山一光です。

2014年12月17日の中野ZERO大ホールにおける第63回定期演奏会が無事終了しましたことを、60〜63期を代表してご報告致します。

今回の演奏会は、例年同様、3ステージ構成で行われ、第1ステージは20世紀のイギリスの作曲家 Lennox Berkeley の《Mass for five voices》Op.64 を演奏いたしました。Berkeleyは日本での知名度は必ずしも高くありませんが、イギリスでは主要なレパートリーの一角を占めている作曲家です。難曲ですが、ルネサンスを彷彿とさせる美しい構築的なミサ曲であり、団員にとって挑戦しがいのある作品でした。
 

第2ステージでは、学生指揮者の藤田育也による大中恩作曲、やなせたかし作詞による 混声合唱組曲「ただそれだけのことなのに」を演奏いたしました。この曲集のテーマは様々愛。愛といっても歌詞は直情的ではなく、むしろ寧ろ日常の中で育まれる愛情を歌い上げたものが多いです。学生指揮者の藤田(通称ポンタ)のエネルギッシュな指揮の下、心をこめて歌わせていただきました。

第3ステージでは、蓬莱泰三脚本・演出 作曲吉川和夫 による合唱劇『マユコの森』を演奏いたしました。脚本を書かれた蓬莱泰三先生自らが演出をつける、初めてのステージという栄誉に浴することができました。マユコの森のテーマはいじめであり、昨今社会問題にもなっている極めて重たいテーマです。これを如何に舞台で、合唱で表現するかという問題と格闘しながらも、蓬莱先生と共に作品を作り上げていく楽しみを皆で共有しながら練習を重ねてまいりました。蓬莱先生は御年85歳ながら、作品作りに対する情熱はお年を感じさせません。また戦時を経験なさった方でもあり、蓬莱先生との練習は団員にとってまたとない貴重な機会でした。演奏会当日は平日中日にも関わらず、700名以上のお客様に恵まれ、演奏は大変な好評を博することができました。 

末筆ではございますが、楽友三田会の皆様には日頃よりご指導ご鞭撻を賜っていますこと、現役を代表して改めて感謝申し上げます。特に定期演奏会時においてはチケット購入やパンフレットへの広告など特に手厚いご支援をいただき、大変有難く感じております。今年度は61期〜64期が作る楽友会となります。先輩の贔屓目かもわかりませんが、皆それぞれ楽友の活動に真摯に向き合っている後輩ばかりですので、何卒皆様の変わらぬご支援のほどよろしくお願い申しあげます。

日時 2014年12月17日(水) 18時30分開場、19時開演
場所 なかのZERO大ホール
プログラム

〈第一ステージ〉
《Mass for five voices》Op.64
作曲:Lennox Berkeley
指揮:栗山文昭

〈第二ステージ〉
混声合唱組曲「ただそれだけのことなのに」
作詩:やなせたかし
作曲:大中恩
指揮:藤田育也(学生)

〈第三ステージ〉
合唱劇『マユコの森』
作曲:吉川和夫
指揮:栗山文昭
脚本・演出:蓬莱泰三
演出補:しままなぶ
ピアノ:須永真美
チェロ:朝吹元
クラリネット:草刈麻紀
マリンバ:加藤恭子
照明:大鷲良一

ステージ写真


編集部注 蓑谷副幹事長から定演の写真が届きました。早速掲載しました。併せて、定演後に開かれたレセプションのページがこちらにあります。まだご覧になっていない方、どうぞ。(2015/3/17・わかやま)
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