追悼文集

長部 正君を悼む

中濱鐵志(9期)

同期の長部 正君が8月3日に亡くなられた。

良い思い出を沢山残してくれたが、親しくなったきっかけは夏の合宿所探しだ。それまで志賀高原の上林温泉三光館(現存していない)であったが、いかにも暑く、岡田先生も汗を拭きふき指揮しておられた。どこか涼しいところで合宿したいと探し、清里高原の清泉寮の噂をきき、大学1年の冬に、彼とやはり同期の亡くなられた金井 宏君と3人でノコノコと出かけてゆき見学させてもらい、その素晴らしい環境に圧倒され、是非使わせて欲しいと当時の総支配人正木さんにお願いし、何とか了承してもらったことは懐かしい思い出だ。
 

私は仕事が一段落した2004年から楽友三田会合唱団で歌っているが、彼も2011年から2015年まで5年間一緒に歌っていたが、彼は「俺は認知症に罹っている、もう充分に歌えない」と途中で辞めてしまった。「大丈夫だよ歌おうよ」と勧めたが、人に迷惑を掛けたくないと来なくなってしまった。如何にも彼らしい。

彼の家は電車の二駅先で、ウォーキングの途中で我が家に立ち寄る。往復して丁度1万歩になるという。上がれよと言っても決して上がらない。門のところで、2,3分話して帰ってゆく。私が不在の時、家内に対しても同じように2,3分話して帰ってゆく。

最近は出来ていないが、同期でよく旅行した。同期の市村君の記録によるとこれまで19回にのぼっているが、長部君は後半はほとんどに参加している。2014年の小豆島への旅行はやはり同期の大森君に手数をかけ押しかけて行ったが、長部君も勿論参加、皆の良い思い出となった。それ以降は個々の事情もあり一泊旅行はないので、記念すべき旅であった。

彼は本当に控え目で謙虚、実直で温厚な性格、人に対して常に親身で思いやりがあり、彼の笑顔は実に美しく、彼との交流はいつも爽やかであった。彼こそ天国に召されるに相応しい人なのであろう。良い思い出を沢山有難う。

(2022/8/9)

  


編集部 鐵っちんからの追悼文が届きました。アリガトー!

彼も書いている通り、出しゃばらない優しい性格の人物でした。水彩画も素晴らしい腕前です。かっぱが褒めると、自分では恥ずかしがるのです。ゆっくり休んでください。R.I.P.


長部 正 画


長部 正 画

(2022/8/9・かっぱ)