慶應義塾高等学校・女子高等学校の両校楽友会

慶應義塾高等学校女子高等学校 楽友会

第48回定期演奏会

2012年3月19日(月)

日吉 藤原洋記念ホール


プログラム(↑クリックで拡大)

  

第48回定期演奏会を聞いて

日高 好男(高校楽友会1期・楽友三田会14期) 

去る3月19日、藤原洋記念ホール(日吉)で開催された標記コンサートを聞いた。

昨年3月に予定されていた定期演奏会は、3.11の東日本大震災の影響で直前に中止となったため、その時の3年生はさぞかし残念な思いだったろう。その先輩達の無念を、今年は総勢45名の高校楽友会の部員が見事に晴らしてくれた。素晴らしい演奏会であった。 

慶應義塾塾歌

 

  

§第一ステージ(女声合唱・男声合唱)
 
2年生の神部莉奈さんの指揮で「オペラ座の怪人」から6曲をメドレーで披露してくれた。 もちろん全て英語であるが、完璧なまでに暗譜をしておりMusicalの雰囲気を良く出していた。
 
男声合唱では信長貴富・松下耕の作品を取りあげた。はじめは、少しばかり上がっていたように思えるが、2年生の長谷部圭人君のダイナミックな指揮が、次第に素晴らしい男声らしさを発揮していった。


女声合唱
指揮:神部莉奈
伴奏:小野木智子


男声合唱
指揮:長谷部圭人
伴奏:小野木智子

  

§第二ステージ(混声合唱)
 
鈴木憲夫の混声合唱組曲「未来への決意」と松下耕の日本民謡「北へ」から『俵積み唄』を3年生の南有紀さんの指揮で歌った。「未来への決意」は時々Nコンでも聞く曲だが、最後の『俵積み唄』は圧巻であった。テンポの速い複雑な和音の民謡を、時々手拍子を混ぜて、いささかのテンポのゆるみも無く、それでいて言葉がはっきりと聞き取れ、とてもこれまでの高校楽友会の合唱とは思えないほどの素晴らしい出来であった。
 
と同時に、指揮をされた南有紀さんのこれからの合唱人生が、きっと素晴らしいものになるであろうという“予感”を感じさせられるものであった。
 
この後の休憩では、会場のあちこちから興奮冷めやらぬ聴衆が、口ぐちに「素晴らしい」と称賛していたのが印象的であった。


混声合唱
指揮:南 有紀
伴奏:小野木智子

  

§第三ステージ(アカペラ)
 
合唱から少し路線を変えた少人数グループによるアカペラ演奏“Shout The Joy” ♪である。筆者は昨年の日吉祭の楽友会のステージでも、幾つかのアカペラを聞かせてもらったが、昔でいえば「ダークダックス」の様な形であるが、スネアやベースなどの効果音を担当する「ボーカル」が入り、Disney Medley や Carpenters のヒット・ナンバーを、高校生らしいノリで楽しくハモリ、面白いステージであった。


アカペラ

  

§第四ステージ(混声合唱)
 
3年の赤城裕介君指揮による最後のステージは「水のいのち」から『雨』、「心の四季」から『流れ』、カンタータ「土の歌」から『大地讃頌』、それに「筑後川」から『河口』と、“感激合唱曲集”のような、中身の大変濃いステージであった。楽友会の伝統である胸にコサージをつけた3年生の何人かは、感激で途中から泣き出しそうな顔で歌っていたのが、遠く48年前の自分達の定演のステージを思い出させてくれた。とても良かった。


混声合唱
指揮:赤城裕之
伴奏:小野木智子

  

青春讃歌


指揮:木山悠子

§まとめ
 
恐らく昨年出来なかった分と合わせて、二つの定演分の盛り沢山のプログラムだったので、午後5時に開演したのだが、終了は午後8時を回り、聞く方も少しばかり疲れたが、でも、若い高校生の“歌声エネルギー”を沢山“浴びた”ので、とても気持ちがすがすがしかった。それに、全部のステージを“暗譜”でやり通したのには、称賛するとともに、もはや自分達にはそんな芸当は出来ないであろうという“羨ましさ”をも感じさせた事実であった。
 
岡田忠彦先生ご夫妻をはじめ塾校の根垣先生、女子高の関口先生、それに大学楽友会の団員や楽友三田会員も何人か顔を見せ、最後の「青春讃歌」では正に「楽友会」の原点である「歌う仲間」を歌いあげ、大変感銘深い演奏会となった。
 
再来年には「第50回定演」を迎える高校楽友会!岡田先生にはぜひお元気で、我々の後輩を見守っていて戴きたい、と祈りつつ帰路についた。(3月22日)


写真提供:木山秀哉氏(高校楽友会14期で、ラスト・ステージの「青春讃歌」を指揮した女子高2年生のアルト・木山悠子さんの父上)

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