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フォトアルバム

ニューヨーク グランド・セントラル・ステーション

2009年5月撮影分


田中 博(20期)


ホームページ 2021年6月7日付 「編集ノート6月号 編集部」に ニューヨークのグランド・セントラル・ステーションのジャケット写真が紹介されていましたが、この駅は実に素晴らしい建物です。

この駅舎はギリシア・ローマを礎とする西洋文明を基とし、世界最強国となった新興国アメリカの富が謙虚にヨーロッパ文明に敬意を表している建築物であるとも言えましょう。マジソンスクエアのペン・ステーションが味気のないプロスポーツの興行施設の現代コンプレックスになってしまったのに対し、1913年に現状のアメリカン・ボ・ザール様式の荘厳な駅ビルとなったグランド・セントラルはジャクリーン・オナシスの保存活動でも知られるように公共建築物を大切にする、すなわち、アメリカ人のアイデンティティーにも通じる“ヒーロー”、“世界の警察官”(古い!)、“約束された地”と現代資本主義の良い部分が結実したアメリカの洗練さと美を感じさせる建築でもあります。

列車の発着のプラットホームが全て地下化されていること、余裕あるコンコース、計算され尽くした天井の装飾や照明や時計、簡素で不必要な広告宣伝が排除され基本機能である案内と公共性を大切にするデザイン思想など、“ヨーロッパの国々にも見てもらいたい大人となったアメリカの姿”を具現化している建物です。隣接する日本の商社M物産の現法が入居するパンナムビル(現名称はメットライフビル)の味気なさをカバーしているともいえます。建物正面には、ギリシア神話の神の彫刻とティファニー社のガラス文字盤、4時はIVではなくIIIIで表現の時計、構内にはSELF WINDING CLOCK社の電気時計など見どころが一杯です。支店が品川駅アトレにもあるOYSTER BARやカフェなどの憩いの場も充実しています。近くにはニューヨーク、アール・デコの傑作とも言えるクライスラービルもあります。2009年の訪問時には、近隣の教会で結婚式をあげたカップルとその家族、友人が簡素だが素敵なパフォーマンスと記念撮影をおこなっていました。“古き良きアメリカ”が何故今も大切にされるのかをうかがい知ることができる駅舎でもあります。 


高い天井に大きな窓のコンコース

中央少し下が有名な時計、奥中央がメットライフビルへの連絡エスカレーター

東京駅なら銀の鈴、新宿駅地下1Fにある西口交番まえ、渋谷なら青ガエルはいなくなりましたからモヤイ像、新橋ならSL広場などと比較してはいけません。和光の前は雨が降ると待ち合わせには不向きですね。

メットライフビルへの連絡通路エスカレーター

この先に続く隣接したメットライフビルは1963年竣工の、昔は世界を代表する航空会社、兼高かおるの番組提供、大相撲ヒョーショージョーで知られたパンアメリカン航空の名が付いたビルだった(オジサン、古いよ!)。

Flag of the United States、The Star-Spangled Banner、公共の場での国旗は国家への忠誠心でもって成立している社会、国であるから、アメリカのプライドの象徴ともなる。

コンコースのブースの横にある郵便投函ボックス(一斉を風靡したCutler Mail Chute Company社のボックス。この場所はシュートでのコレクトではなさそう)。

ワシントンD.C.や東海岸でも牡蠣は養殖されているが、西海岸から運ばれてくる牡蠣も多い。NY州ロングアイランドはワインの産地としても知られている。

ギリシア神話の神の彫刻が駅舎入口上に飾られ、Tiffany & Co.製のステンドガラスの文字盤が用いられた時計。

NYのエスタブリッシュメント同士の結婚か?

手前の人たちは、多分結婚式に列席した親族、友人のようだった(人物撮影に関しては許可を得ております)

東43通り(East 43rd Street)から見た、グランド・セントラル駅舎(中央下)とクライスラー・ビル

(2021/6/13)


編集部 編集ノート6月号が、また、田中 博君にきっかけを与え「グランド・セントラル・ステーションの写真集」が送られてきました。前回は、「想い出のサンフランシスコ・フェアモントホテル」でした。

まるで俳諧の世界のようです。お爺さん古い・・か?発句に脇句なんて。
(2021/6/13・かっぱ)