喜寿前後に歩いた東海道五十三次、撮り続けた写真を纏めた記録写真集、それを製本、全四巻が完成、更に改定版が国立国会図書館蔵書へと当初考えてもいなかった展開で広く一般の方にも情報開示出来るようになり、東海道五十三次歩きの最高の成果となりました。その経緯の概要を駆け足で紹介します(道中記は別途投稿します)。
@ 旅のきっかけ
コマツ退職、横浜国大退職、七十歳で完全にフリーとなり、海外旅行を楽しんでいたが、欧州各地でテロが頻発してきた事もあり、国内旅行に切替えることにした。喜寿前後の年で歩くことに多少不安はあるが、街道を歩けば、断片的な知識が少しは繋がるのではと思い、東海道五十三次のツアー(2016年9月から2018年10月まで約2年延48日)に挑戦する事にした。
A 記録写真集が取り持つ縁
第1回日本橋から品川を歩いてみた。ガイディングレシーバで講師の話を聞きながら割合自由に行動できるツアーだった。都市開発が進んでいる東京では旧東海道の面影は増上寺、芝大神宮、泉岳寺、東禅寺位で、他は歴史を示す石碑、掲示板だった。各所の掲示物や解説を写真に収め、帰宅後古地図と対比してみた。東京は江戸時代の遺産の上に造られた町であること、大木戸の変遷から江戸が当時百万人の大都市だった様が垣間見えた。旧東海道歩きの実感はないが記録写真集を纏めることで興味ある史実に出会え、歩いて尋ねる面白さを感じた。
第2回以降も、宿場の構成(本陣跡、問屋場跡、貫目改所跡等)や雰囲気を少し味わったり、旧東海道の雰囲気を残す道を辿ったり、箱根駅伝コースとは違う権太坂を越えたり、また、「お江戸日本橋七つ立ち(午前4時頃)」して戸塚まで一日で歩いたという、昔人の健脚ぶりを体感したりと毎回新しい発見があった。歩いた後に記録写真集を旅仲間に開示することで旅仲間も徐々に増えてきた。
天下の嶮の箱根越えをした所で、箱根路までを纏めた写真集が欲しいと仲間に要望され、2017年9月、日本橋〜三島間を写真で綴る東海道五十三次「箱根路を往く」として製本し皆さんに配布。これが好評で旅仲間からはゴールまでの作成依頼を受けた。完歩が怪しい私だったが、京都三条大橋を目指す覚悟をした。また、東海道を4分割(「箱根路」「駿河・遠江路」「三河・尾張路」「伊勢・近江路」)して記録写真集を作成することに。
仲間にも助けられ2018年10月遂にゴールの京都三条大橋に辿り着いた。
結果、記録写真集 写真で綴る 東海道五十三次シリーズ全4巻
第1巻日本橋〜三島間
「箱根路を往く」
第2巻三島大社〜見附間
「駿河・遠江路を往く」
第3巻見附〜桑名間
「三河・尾張路を往く」
第4巻桑名〜京都三条大橋間
「伊勢・近江路を往く」
が完成した。
記 録
期間 2016/9〜2018/10
延日数 48日
東海道五十三次 約492q
実歩行距離 約770q
歩行歩数 約110万歩
撮影写真枚数 6800枚
纏めたPPT 1900ページ
製本ページ 960ぺージ
B 記録写真集全4巻が国立国会図書館の蔵書に
東海道五十三次の記録写真集、全四巻を東海道仲間に特定配布のみではなく、広く東海道に興味のある方に紹介する方策を考えていた時に国立国会図書館でプライベート製本でも条件付だが受入れ可という情報を得た。
2019年9月全4巻の初版を一部修正して改訂版を製本したのを機に、2019年10月国立国会図書館に納本申請した。11月幸運にも受理され、東海道五十三次に興味ある一般の方に開示出来るようになりました。次のURLにて検索できます。
https://ndlonline.ndl.go.jp
C 雑感
長旅を共にすると史実以外に仲間との出会いがあり、旅を終えても付き合える仲間が出来たことは収穫だった。
更に思わぬ展開が待っていた。
国立国会図書館で当方の「写真で綴る東海道五十三次」の写真集を見た人から電子書籍の発行を薦められ、もっと多数の方に気楽に見てもらえるならと現在電子書籍発行作業中、10月には発行できるところまで来ました(後日紹介予定)。
色々と挑戦していくと次々に新しい世界が開けてくることを今回の東海道歩きで経験した。それを表現したく冒頭に書いた次第です。
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