リレー随筆コーナー

楽友会、楽友三田会雑感



木村 勝隆(23期)


 大分前に原稿依頼を言いつかって、年末までだとの最後通告を受けながら、今やっとの思いで書いています。

年が明けてこの春が来ると、私も楽友会を卒業して39年になります。自分が生まれて物心ついて39年前となると、気の遠くなりそうな年数ですが、実際、自分自身で経てみると、あっという間の39年です。年数に実感性はなく、主観的に感じるままだと私は思います。

楽友会に入会したのはクラスのF君が語学の授業でたまたま隣に座った時に「可愛い子が多いんで入らないか?」と。その頃はいわゆる仮面浪人中で、興味本位でついて行った感じでした。音楽は上手くはないけれど、嫌いじゃあない。父親は昔の電蓄を買い、よくレコードをかけていた。演歌、童謡がほとんどですが。昔の童謡は良い歌が多く、子供ながらに曲から景色が見えて来た思いでしたね。小学校に上がると、音楽の授業では家で聞けないようなクラシックを聞かせてくれる。音楽は哲学だと漠然と思ったりしたものです。

そんな子供時代から、いきなり合唱部所属は些かハードルが高かったが、誘われると断れない性格も災いして、どっぷりつかるようになった。80人くらいの人で、一つの作品を演じる醍醐味は語るまでもなく素晴らしいものでした。音楽を極めていない私にはなかなか辛いものもありますが、何とか皆さんについて行き、3年半(F君から誘われたのが2学期だったもので)無事卒業が出来ました。

卒業してすぐくらいに、1期の伴有雄さんが指揮するというところで一緒に歌い飲み(練習を終えた後、必ずと言っていいほど、渋谷のセンター街の今は無きニュートーキョーに行きました)、楽しい時間を過ごしました。

昨年11月の楽友三田会定演を聴かせていただきましたが、素晴らしいの一言。歌っている方々はなかなか上手く行かなかったとおっしゃったりしますが、聴いた私にはそうしか聞こえませんでした。私も出来ることなら歌う側になりたいんですが、土曜も仕事があり、練習参加もままなりません。

一昨年、岡忠さんが亡くなり、その岡忠さんがあの独特な仕切りでやられる練習はホントに今になると懐かしい。厳しくもやさしい岡忠さん、昨年4月の偲ぶ会に多くの方々が参列され、多くのことを語っておられ、一つ一つ納得し、その人徳に大いに感謝したものです。

岡忠さんはじめ多くの方々が集い今の楽友会、楽友三田会があるわけで、ますます発展し、それにほんの僅かでも尽力できたらと思う次第です。

次のバトンは同期、竹内さんへ。

(2017/1/3)

    


編集部注 木村勝隆君も今どきのネット人間ではありません。登録してあったメールアドレスにメールを出しても届きません。さらに携帯メールに連絡しても「PCメール拒否」に設定してあるらしく、これも届きません。何と「リンクのあるメールは拒否」と迷惑対策らしい。このページを知らせようと、リンクを張ると届かない。ややこしい兄さんだ。

この間の三田サロンの忘年会で「FAXで送れ」と言って正月早々に届きました。

おー珍しや、原稿用紙です。変わったFAX投稿の第2弾でした。もう一人、ITと無縁の9期のオジサンが「長くなったけどFaxで送る」と言ってきたことがあります。

もっと凄い人は手書きの原稿、プログラムなどはA3のコピーを超大型封筒に入れて郵送があります。本人は「楽友」を見る道具がありません。驚きました。

バトンは竹内さんに渡りましたが、体調不全のため別の方に渡してもらいます。

(2017/1/3・かっぱ)


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