リレー随筆コーナー

「常磐線に乗って 通楽」



大角 敏子(16期)


「モツレクをもう一度!」とMMCに通い始めて早15年。「遠いところからよく・・・・・」とお声をいただく。当初は、幾分感心され、幾分はあきれられていると受けとめていたが、歳を重ねたこの頃は<もうそんなに無理をしないで>という含みがあるのではと思ってしまうこの頃である。というのも、練習を重ね、ボイトレにも顔を出すようにしてはいても、なかなか向上しないどころか、声がなめらかに出づらくなるなど、むしろ退歩しているような現状だからである。

「遠い?」「遠いかな?」確かに渡る川の数は多い。日本一の大河・利根川のほか小貝川、江戸川、中川、荒川、隅田川、そして多摩川。
 

台風などで変わる水量と河川敷の景色、そして今は北千住に近づくとスカイツリーが姿を現す。それも雨や霧やで上部は見えなかったり、ぼんやりしていたり。合唱の楽しみだけでなく、「通楽」道中のいわば「小さな旅」もまた楽しい。帰り道はとっぷりと日は暮れて、ネオンの色を見るばかりだが、上野駅のエキナカの店で、飲み物と軽食を仕込んで「食べテツ子」を愉しむ。食べ終える頃には灯りの少ない郊外を走り、何やら「銀河鉄道」のように、夜空の中を走っているかのような錯覚を愉しんでいると、降車駅は間もなくだ。しかし、この優雅な帰り道も、平日はごった返す通勤特急が、土曜の夕方は空いているからこそのこと。3月のダイヤ改正で東京駅まで乗り入れするのと引きかえに、変わるかもしれない。さて、その時はどのように帰ろうか・・・・・。

2月に新たに茨城県からの「通楽」メンバーが参加された。しかし、常磐線ではなく、「つくばエクスプレス」という若者にも人気の路線という。

遠くても近くても、健やかに会場に集まってハモれたら、うれしいですね。(2015/3/24)

バトンは川添陽子様(13期)につながりました。(2015/4/11)

    


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