リレー随筆コーナー

吹奏楽はじめました

 

土屋 敬司(37期)


先日ゲネプロも終え、定期演奏会を翌週に控えているある日の午後です。
定期演奏会と言っても合唱ではなく、吹奏楽団です!

楽友会を卒業した後、少しだけOB関係の合唱団にも所属していたことがありましたが、全く長続きせず、しばらく音楽とは無縁の生活を送っていました。

ところが、子育ても終盤に差し掛かっていたとき、新たな活動をやってみようかなという気になり、何か無いかと考えていたところ、ふと近所で活動している吹奏楽団があることを知り、ほとんど後先考えずに、その吹奏楽団の扉をたたいてしまいました。

楽器はトランペット。経験は中学3年間だけ。
20数年間のブランクがあり、やっと音が出るか出ないかってところだったのですが、ふつふつともう一回チャレンジしてみたいという気になってしまいました。

吹奏楽の活動は、私にとって「楽しい」と「苦しい」が交互にやってくる活動です。
ようやく年2回ペースの演奏会にも慣れてきて、今は楽しい音楽活動を行っています。


多摩川吹奏楽団

吹奏楽には合唱とはかなり違う側面があります。吹奏楽の楽しさっていうのは、こんな感じでしょうか。

@ パワーに圧倒!
合唱も人数が集まると相当ボリュームがありますが、吹奏楽のパワーは半端ではありません。特にトランペットのパワー・ボリューム感はすごく、みんなガンガン鳴らします。自分の調子にもよるのですが、気持ちよく音を出せるときは、かなりストレス発散には役立っています。

A 幅広い世代の活動
上は50代、下は高校生まで、幅広い世代にわたった男女混合の活動です。我がトランペットパートは男子6人、女子3人。それなりに大所帯で、活動の中には合宿や飲み会なども多々あり、これまで普段の生活ではあまりなかった若者との活動が増えました。

B いろいろな楽器のいろいろな音色に触れられる
基本的にみんなかなり上手いので、いろいろな楽器の音色を純粋に楽しめます。
オーボエソロの綺麗な旋律、SAXソロのリズム&ブルース感、トランペットソロのハイトーンなどなど。
なかなか自分ではソロを決めらないジレンマがありますが、人の音色だけでも十分です。

そして、吹奏楽の「苦しさ」。
@ 音が出ない〜
出ると思っていた音が出ない。ブレスが続かない。音程が安定しないなどなど。昔、1日休むと3日遅れる、1週間休むと3か月遅れるなどと言ったものですが、さすがブランク20数年。よっぽど初めてだったほうが早かったかもしれません。。。

A 休符が数えられない〜
合唱の楽譜には4パートすべて書いてありますよね。それが当たり前だと思っていましたが、そういえば吹奏楽は自分のパートの音符しか書いていなかった。自分が吹かないところは無機質な4小節、8小節、16小節などの休符記号だけ。吹き終わった瞬間に指折り休符分を数えないと完全に見失ってしまうんです。。。最近はやっと慣れてきたものの、何度練習中に路頭に迷ったことか。。。他パートの音符を追いながら自分のパートに入るという合唱では当たり前のことができないんですよ。

B 目立ちすぎる〜
良くも悪くもトランペットはとにかく目立ちます。音を外すと一発でみんなにバレてしまいます。トランペットパート内だけでなく、他パートから白い目で見られることもしばしば。穴があったら入りたいという経験を何度したことか。。。


トランペット・パート

そして、吹奏楽を再開してわかった合唱のいいところ。

@ 歌詞があるところ
当たり前なのですが、合唱には歌詞があり、改めて歌詞の表現力のすごさを感じます。 すっかり歌詞なしの生活ですが、やっぱり歌詞もいいなと。

A 表現力が無限なところ
声の音程に加えて、声色、男声、女声、響き、母音、子音・・・などなど。それぞれの組み合わせ・掛け合わせにより、合唱で出せる表現力は無限だと思います。こういう無限の可能性を多くのメンバーで共有して、ひとつのオリジナリティに作り上げていくプロセスは吹奏楽にも無い魅力だと思います。

B 生涯にわたって活動ができるところ
合唱の特に良いところは、生涯にわたって活動を続けられることだと思います。特に金管楽器は、例えば還暦になっても吹けるかと言われると、少なくとも私はたぶん無理かなと。くちびるは酷使するし、体力も相当に使うので、団体での吹奏楽活動は限界があると思います。
合唱ももちろんブレスは大変だし、演奏会の間ずっと立っていられる体力が必要ですが、パート内の助け合いにより、自分の可能な範囲内であっても、生涯に渡って活動ができる気がします。

そういう意味で、トランペットをいつかは辞めざるを得ない日が来るかなと。そのときは合唱を再開する可能性が無いわけではないため、今後とも楽友三田会との付き合いを大事にしたいと思う今日この頃です。

また、私が所属する吹奏楽団の演奏会で、合唱付きの曲にチャレンジすることも個人的には目指していまして、そんなときに楽友会のみなさんとのコラボができればなぁなんてことも夢見ています。(2014/7/21)

P.S. 長らくリレー随筆を止めてしまって申し訳ありませんでした!

バトンは同期の小笠原裕君(37期)、もう1人、大久保嘉太郎さん(36期)にお願いしました。