リレー随筆コーナー

ヴェトナム音楽事情

末続  靖12期)



末続 靖(12期)

末続はハノイに転勤になって遠いところにいる。暇だと私に「カッパさん」といってメールをくれる。11月には「末続談義」を長々とメールに書いてきたので、この随筆コーナーに掲載した。あの爺様がそれを見て、「折角、珍しいところにいるのだから、末続談義はもういいから、ベトナムの音楽事情でも書かせてくれ」とリクエストが来た。

早速、末続に「ベトナム音楽事情を書きなさい」と命令が飛んだ。

今回のお話は、その第一報である。(編集部かっぱ)

週末、ご要望に応える「ベトナム音楽事情」を考えてみたが、ろくな材料が見当たらない。 ただ、4年前にはこんなことがあったと思い出した。

1.ひょんなことから、Hanoi International Choir と言うのを知り、歌いに行って見た。結構色んな国からの「唄キチ」が集まっていて、ヴェルディーのレクイエムをやった。

相撲取りみたいな体格のソプラノがぞろぞろ居て、ヴェルディーも初見で歌うし、結構レベルが高かった。日本からは、「松原合唱団のメンバー」だとか、同志社のグリーで振っていたなんて猛者もいて、結構楽しかったけど、演奏会の3か月前に帰国になっちゃって、ハノイのオペラハウスで歌うチャンスを逃した。ハノイのオペラハウスは、パリのオペラハウスの小型版で、結構素敵な良いホールなのだ。フランスの統治時代に建てられたもの。

今回、インターネットで検索したり、メールで連絡を試みたが、今のところ合唱団へのコンタクトに成功しては居ない。

2.その4年前のあるとき、ニューヨークフィルがハノイへやってきた。

天井桟敷でも一万円くらい(昼飯150円のベトナムの物価から考えると、目の玉が飛び出るほどの値段だ)のチケットを買って、聴きに行った。

ブラームスのヴァイオリンコンチェルトと、シンフォニー4番のプログラムだったが、ヴァイオリンのソリストがあまりにも「自己顕示欲」が強くて、あきれ果てた。

オケのメンバーも2線級か3線級かと思わせるほど出来が悪く、ヴァイオリンのボーイングが全くメチャクチャで、「練習もしないで、ベトナムをバカにしに来たのか」と思ったほどだった。が、聴衆(ベトナム人)は、スタンディングオベーションで、大喝采だった。こっちは100%褪めていたけど、まあ、そんなもんだろう。

ところが、アンコールはベートーヴェンの「運命」の第二楽章だったが、これはうまくて感心した。しょっちゅうやってるからだろうと思った。「なるほどニューヨークフィルだな」と思った。

ハノイには交響楽団があって、VNSO(ヴェトナム・ナショナル・シンフォニー・オーケストラ)と言う。 ホームページを見つけたが、ヴェトナム語なので例の可愛い秘書さんに読んでもらった。


例の秘書


Honnna Tetsuji
 

日本人が振っていると聞いているが、なかなか聴きに行くチャンスがない。もう少し調べよう。・・・本名 徹次(ほんな てつじ、1957年- )が、コンダクターらしい。知ってる?

みなとみらいホールなんかで演奏したみたい。

12月の最後の週末に、第九をやるらしいけど、その時丁度アトランタから友人夫婦が遊びに来るので、今回は聴きにはいけない。秘書さんが「チケットを取りますよ」と言うので、来年にでも良いプログラムが有ったら、聴いて報告します。

カッパさん、今日はこれでやめとく。 (2013/12/16)