リレー随筆コーナー

きっかけと出会い


石井奈央(50期)


44期の長崎さんから受け継ぎました、50期の石井奈央と申します。

卒業後、それぞれの音楽活動をされている先輩方が多くいらっしゃる楽友会ですが、私自身も、卒業後音楽大学に進学し、大きな進路変更をしてしまった人間のひとりです。現在は、中学高校の音楽教員をしつつ、合唱指揮や主にアンサンブルの歌い手として活動をしています。楽友会にいた頃はもちろんたくさん悩み、親と喧嘩をしたりもしましたが、やはりより深く学び、音楽とともにある人生を送りたい、という気持ちだけで無謀にも決意してしまいました。常任指揮者だった栗山文昭先生との出会いは大きかったと思います。栗友会ユースクワイアとして参加したヨーロッパ演奏旅行(コンサートだけでなく、なかなか訪れる機会のないアウシュビッツ収容所にも訪れ、多くの衝撃を受けました)を始め、影響を受けた大きな音楽体験をたくさんさせて頂きました。

当時楽友会で私は学生指揮者を担当していましたが、諸事情あって3年と4年と2年間定演では指揮を振りました。学指揮をやることに対して、はじめは全く積極的ではなかった自分が今では主たる活動としているわけで、きっかけというのは本当に不思議なものだとも感じます。何とかやらなきゃという気持ちだけで皆の前に立っていましたが、今振り返れば、拙い指導や指揮に付き合い、歌ってくれた当時の皆がいたからこそ、今の自分に繋がっているのだと強く感じています。

4年ほど前には、周りの人に呼びかけをし、vie Souple(しなやかな生命という意味)という女声アンサンブルを立ち上げました。団長は、楽友会の後輩にあたる58期岸川紗希さんが務めてくれています。(ちなみに彼女は中学高校での後輩でもあります)大学生から30代の比較的若い世代の団ではありますが、時にはお酒を飲み(わりと頻繁)、女子トークを繰り広げながら彼女たちとともに人生を重ねつつ、より豊かに合唱音楽の追求をしていきたいと思っています。


vie Souple 3rd Concert

学生時代から藤井宏樹先生のもとでも活動しておりましたが、現在は藤井先生と2人で指揮する形で、大学合唱団にも携わり活動の幅も広げています。

現在勤める中学高校(母校でもあります)のコーラス部は、今では部員は約140名、コンクール全国大会の常連になっている部です。恩師でもある顧問の教員に学び、後継ぎのプレッシャーも感じつつ、日々奮闘中です。

歌い手としては、大学卒業後からはメゾソプラノ歌手の波多野睦美先生のもとで勉強を始めました。また、波多野先生が主宰する女声アンサンブル「サモスココス」でも活動しています(現在活動休止中ですが)。指揮者をおかないこのグループでは、通常の「ガッショウ」という枠にとらわれない作品やアプローチ、演奏を追求している稀有なところで、本当に面白くエキサイティングな場です。その他、海外留学を終えた友人が立ち上げた合唱団に関わるなど、歌い手としても磨いていきたいと思っています。

・・・というように、教員業とその他合唱指導や演奏活動を行っていくことはなかなかハードで難しいことも多々ありますが、長期的な展望ももちつつ、一歩一歩、自分の音楽人生を歩んで行けたらと思っています。きっかけや出会いを与えてもらった楽友会という場所、人々に本当に感謝していますし、今後の楽友会の更なる発展を願ってやみません。

vocalconsort initium
アンサンブル・サモスココス

(2019/2/15)

バトンは松本宏太君(57期)が引き継いでくれました。(編集部)

    


編集部 昨日はヴァレンタインデーでした。最近のチョコの売れ行きはどうなっているのでしょう。XXチョコなんてありましたね。

さあ、50期から初めての投稿です。石井さん、バトンリレーをよろしく頼みますよ。(2019/2/15・かっぱ)


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