Editor's note 2019/3


Michel LeGrand

 ミッシェル・ルグラン1月26日、86歳で亡くなりました。2011年11月1日には、実姉のクリスチャンヌ・ルグランが亡くなっています。二人ともいなくなりました。

30年前には、コンテンポラリー・ミュージックで最も重要な人物と呼ばれていました。もう、コンテンポラリーではなく、彼の曲はスタンダード・ジャズそのものと思います。

報道では、「シェルブールの雨傘」や「ロシュフォールの恋人たち」といった映画の話がどこにも書かれていますが、私が一番好きで歌っているのは、”How Do You Keep The Music Playing?”(1982)という歌です。
 

 ジェームス・イングラムが2019年1月29日に脳腫瘍のため66歳という若さで死去しました。かっぱのようなジャズ人間には、縁の薄いR&B歌手で、何の興味もなかった歌手の1人でした。しかし、たった1曲の歌によって彼の名を知ることになったのです。

90年頃、”How Do You Keep The Music Playin'?”を今は無いSound Inn DOMINANTでよく歌っていたところ・・・

ある夜、生演奏の休憩中に有線放送から、偶然にもこの歌が流れてきてビックリ。何と男女のデュエットで歌っているのです。ドラマーの奥山さんが有線に電話して音源のソースを調べて、CDを買って来てくれました。


James Ingram

このJames IngramとPatti Austinがデュエットで歌っていました。 コーラスアレンジはQuincy Jonesです。この2人はクインシーの秘蔵っ子です。2016年にはクインシー80歳のコンサート東京公演に、この2人も連れられて来ました。


James Ingram and Patti Austin


Marilyn & Alan Bergman and LeGrand

 もそも、この歌は1982年の映画「Best Friends」の主題歌として、作曲:ミッシェル・ルグラン、作詞:Alan & Marilyn Bergmanで書かれた歌でした。映画の中でもIngramとPattiが歌っています。

Bergman夫妻は沢山のヒット曲を作詞しているおしどり夫婦ですが、クインシーがルグランに紹介したのだそうです。50年代後半、クインシーは音楽理論勉強のためにパリに居たのです。その頃、ルグランの姉、クリスチャンヌとはDouble Six of Parisで一緒だったのです。

心に迫るメロディーと歌詞、誰もがカバーしたくなるのでしょう。Frankie Laine、Andy Williams、Tony Benntte、Shirley Bassey、Frank Sinatra、Barbra Streisand、Salena Jonesらが軒並み吹き込んでいます。お勧めはトニー・ベネットです。それはラルフ・シャロンのアレンジのバックですから洒落方が違います。ラルフ・シャロンはトニー・ベネットを育てたロンドン生まれのピアニストです。この人のセンスが私は好きでたまりません。


Ralf Sharon

コンサートの幕開けは2,3曲ラルフ・シャロン・トリオがインストの曲を演奏してからトニー・ベネットが出てくるのですが、私は「トニー・ベネットはもっとゆっくり出て来い!」と思いながら聴いていたものです。

⇒ Michel LeGrand

⇒ Alan & Marilyn Bergman

⇒ Quincy Jones

⇒ James Ingram

⇒ Ralf Sharon

⇒ Patti Austin

(2019/3/7・わかやま)


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