Editor's note 2015/4

 最近は「終活」に余念がない。「エ?『終活』をご存じない?『就活』はご存知ですね、ソウ、学生の就職活動のことでしょ。その語呂合わせで『活』。これは人生の終わりに臨んでの、身辺整理活動をいうのですよ。マ、一般に老人の活動です」

ハナカイドウ
(花言葉:温和・友情etc.)

 昔はこんな事はなかった。明治生まれの人たちにこんな事を言ったら「縁起でもない!」といって一喝されただろう。遺言書作成だって一般化していなかった。だから父の没後は大変だった。核家族化が進んで所帯が別だから、いざ葬儀となっても誰に案内を出したらいいか分からない。当人名義の銀行口座は凍結されて使えず、生命保険や株の証券がどこにあるのかも分からない。やっと探し出しても印鑑がどれか分からない。母に聞いても分からない・・・等々、無い無いずくしでとても難渋した。だから<自分の時には子供たちにこんな苦労はさせまい>と思い、70歳になってからボチボチと「終活」を始めた。だが、何とこれが8年後の今も終わらない、殆どendlessな作業と思えるのだ。

 何でそんなに時間がかかるのか?理由は色々あるが、特に本やCD、VIDEOといった蔵物の処理に手間取っている。今あるそれらは、学生時代からこの方、20回近い転居を経て、整理に整理を重ねてきたものの、なお残し続けた最後の宝物。どうして簡単に手放せよう。読み納めだ、聴き納めだ、見納めだと言っては何回もでる。その結果、例えば1巻が縦27cm横19cm奥行8cmもある小学館の「バッハ全集」全15巻を読破し、ノートにとったり音源や映像を視聴したりするだけで、約5年を要した。その挙句どうしたかといえば<バッハの作品は葬式の時のBackground Musicに使ってもらうかもしれないから、やはりこれは取っておこう>ということになり、未だに処分できない。我ながら笑止しょうし沙汰さたとは思うが、命ある限りは捨てたくないという意地も出てきたから、どうしようもない。よって、私にとっての「終活」は「終りなき活動」の事、と開き直っている。

 この「楽友」ホームページ(以下HPと略す)も、実はそんな「終活」の一つとして始めたものだ。当初は5年続けば「御の字」と思っていたが、もう7年近く続いている。相棒に若山邦紘君(9期・以下カッパと略す)という逸材を得たお陰である。カッパは実に気配りのきくIT通で、その上とっくに古稀も過ぎたというのに未だに学生のように元気はつらつ。だからHPの裏で四方八方に広がり続ける細かいリンク網をものともせず、切ったり繋いだりの面倒くさい細かい作業をいとわず、日夜、より読みやすいページ作りに励んでくれている。私なんか社報の編集経験が少しあるだけの、HPに関しては全くの素人しろうとだから、カッパがいなかったら「楽友」は幼稚な電子紙芝居に終わったことだろう。

 カッパはOR学者なので統計はお手のもの。このHPにも各種データが備わっている。私はそれ等を見るのが毎日の楽しみとなった。先ずは「Indexページ」下にある音符風の数字。それは、このページがアクセスされた回数を示すもので逐次更新されていく。毎朝7時半頃にその数値をノートに記録し、ついでに前日との差を記しておく。そしてその値の大小で、新規掲載記事への読者の反応を知るのである。

 例えば3月22日に「高校楽友会・第51回定期演奏会(写真・サウンド掲載)」という記事が出た。そこで当日以降3日分(A)のアクセス数と、その日以前の3日分(B)のそれを比べてみた。するとA=75でB=58。1日平均でいえばA=25でB=19だから、毎日約6件のアクセス増になったことが分かった。かなりの反響を示す値である。それもそのはず、この記事には当日のプログラム順に全曲のステージ写真とサウンドが載っており、居ながらにして定演の状況が楽しめる仕掛けになっている。それは当HPとしては初めてのことなので、高校楽友会の諸君もきつけられたに違いない。そういうことを知ることが、編集者の喜びの一つとなっている。

 この他にいずれも右肩上がりの折れ線グラフや棒グラフ、あるいは世界各地の読者数の広がりを示す一覧表があり、これらを見て、このHPの認知度が徐々に高まっているのを知ることは嬉しいことである。だが喜んでばかりはいられない。その第一が原稿集めの苦労である。皆がこのHPを楽しんでくれていると知れば知るほど、より多くの人から原稿をもらい、もっと内容を充実させていきたいという思いがつのる。しかしいくら頼んでも、なかなか原稿が集まらないのが実情なのだ。しかし、あきらめはしない!

 楽友会は10代20代の若い高校・大学生の現役から、80歳代のOBG迄、幅広い有為な人材約1,500名が参集している老若男女の一大集団であり、楽友会・慶應・音楽・合唱という四つのキーワードで、昨日まで未知であった男女がアッという間に肩を組み、歌いわすことのできる仲間なのだ。だから今のままで終わるはずがない、と確信している。

どうか皆さん、遠慮・てらい・筆不精・他人任せ・事なかれ主義なんてケチな根性はかなぐり捨て、頼まれた人はもとより、頼まれていない人も、楽友会に連なる人なら率先して寄稿して欲しい。テーマや期限なんかはあなたの好き放題。何でもいいから公開日記と思って原稿を書き、編集部に送って欲しい。Facebook、LINE、TwitterなどのSNSとは違うから長さの制限はないものの、寄稿者・読者共に楽友会関係者という、範囲限定のCommunication Siteであることだけはご承知おきいただきたい。

(オザサ/2015年4月7日)


シナトラ生誕100年

シナトラ生誕100年の年に:フランク・シナトラは1915年(大正4年)12月12日、ニュージャージー州ホーボーケンで生まれました。


ついこの間、「シナトラ生誕100年コンサート」のチラシを見つけた。これは、一体何なんだ?私には見たことも聞いたことも無い名前が書いてある。

David Alaceyというシナトラの物真似をして商売をしているオジサンがいて、今年の10月25日に「シナトラ生誕100年祝賀コンサート」を開くというのだ。場所はイングランド・ランカシャー州のコルネという田舎町だそうだ。現在、チケットを発売中だという。

このオジサンはロンドンに住んでいるイタリア人のようだ。

不思議なことにこのフライヤーには、日時・場所の文字が一切無い。その理由が分かった。どうやらイギリスのあちらこちらの田舎で興行をするらしい。10月31日というのも出てきた。ツアーをするならそのように書けばよいのだが、既に1月にもこのポスターで宣伝が出てきた。まあ、驚いたオッサンだ。

お値段は20数ポンド、場所によって22ポンド〜27ポンドなんて書いてある。日本円では4000円前後。

さらに、ネットを少し検索してみた。変なものが出てくる。えーっ、Rat Packの模倣までやっている。この模倣品もAlaceyのグループで、ヨーロッパで1997年からThe Rat Pack Tribute Showをやっているのだとか。Rat Packといっても若い世代は知らなくて普通だが、もともとはハンフリー・ボガードが始めたもので、フランク・シナトラが引き継いで、シナトラ一家の代名詞になった。

考えてみれば、本物のRat Pack 3人を見たことがない人間が生まれて4半世紀も経ってしまったのだ。


Frank Sinatra,Sammy Davis Jr.,Dean Martinの物真似ショー 

驚くのと同時に、呆れ返ってものが言えなくなりました。このメンバーでショーを見せるらしいです。見てみたいですか?

 

世の中ってこんな風になっていたのです。こんなショーを金を払って見に来る人がいるのかと思うでしょ?田舎に行けばお客は来るのです。シナトラ親分は天国でどんな顔をして見ていたのでしょう。私は今頃になって初めて気がついたのです。皆さんはご存知だったのでしょうか?知るわけ無いですよね。

ホームページも見つけました。 ⇒ The Rat Pack Site

いやー、変てこな話になってしまいました。あー、参った!!

(2015/4/7・かっぱ)


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