Editor's note 2014/12


満開の皇帝ダリア

 のホームページを開設して間もない頃・・・「アラ、このホームページ、合唱団なのに音が出ないの?」という声が届いた。そんなこと言われてカッパこと、若山が黙っているはずがない。「楽友」技師長に就任したばかりだったが、早速ヴィデオや録音機材を引っ提げて演奏会場に出かけ、その状況を録音・録画して公開してくれた。
 

お陰でOSF(のページ後半にある動画)やAGFCの演奏会が動画で見聞できるようになったのだが、高校から楽友三田会までの各楽友会の各種演奏会まではとても手がまわらない。何しろ編集部には古稀を過ぎた2人ジージしかいなかったからだ。

 こでカッパは一計を案じ「Ustreamを活用し、演奏会の実況中継をこのホームページを通じて放映しましょう。ついては『楽友三田会インターネット中継班』を作りたく、若い世代のヴォランティア参加を待っています」という呼びかけをした(編集部紹介ページ内、およびUSTREAM活用)。

だが案に相違してその反応はすこぶる鈍く、今日に至るまで一人の応募もない。これは一体どうしたことか? わが会には毎年大学の新卒者が入会してくるから会員は着実に増え、今では約1,500名の人材が集っている。そして、このホームページには毎日少なくとも20件のアクセスがあるから「インターネット中継班」もすぐ編成できると思っていた。だが、残念ながら未だに演奏会の実況中継は実現していない。そこで私は周辺の状況をつぶさに調べてみた。

 ずは諸大学のグリーや混声合唱団、プロやアマの有名・無名合唱団等50件程のホームページ等の現状を見た。その結果は「楽友」と皆ほぼ同じ。演奏会の実況を中継した記録が公表されているものは皆無であり、殆どが静止画像と文字だけの情報で、ごく一部に新入生勧誘のための「Promotion Video(PV)」とか練習風景を写した「動画」あるいは「試聴」と称するコーナーが特設してあるだけであった。

男声合唱団の名門・関西学院グリークラブのホームページは体裁・内容共にさすがスマートだが、動画としては数分のPVが載っているだけである。その代わり、というべきかYouTube上には2時間半を超える100周年記念演奏会の実録他、多数の演奏会風景が公開されている。なぜYouTubeに置いておくのか、何か著作権法上の問題でもあるのだろうか。塾のワグネル男声合唱団も同様で、YouTubeで多くの演奏を視聴できるものの、ホームページには何も公開されていない・・・これ等が現状であった。

 するに今はまだズブシロが演奏会を実況中継したり、それをネット上でArchiveしたりしておく技術的、経済的、法的環境が整っていないので、その機運も盛り上がってこない、ということなのだろう。事実、コンサート会場でコッソリ録音や録画をしている人を見かけるが、例えうまく盗撮できたとしてもその首尾は知れている。とても鑑賞にたえる音質や画質となり得ないはず。だから、それが欲しければプロに頼むしかないのだ。プロなら3〜5台のヴィデオ・カメラと7本以上の高感度マイクを使用するだろう。当然費用はかさむ。その額はコンサートの規模や態様によるが1回あたり20万円〜50万円、その他DVDやBDの制作も頼むとしたら1枚当たり2,500円〜3,000円の出費を覚悟しておかねばなるまい。とうてい貧乏学生やアマチュアの趣味団体が、気安く購えるサービスとはいえないのだ。

 いったことで、演奏会の実況中継は普及していないものと思える。だが我々の意図は、始めにご紹介した「アラ、このホームページ、合唱団なのに音が出ないの?」という素朴な疑問に応えることだけだった。自分たちにできることを<楽しみながらやってみようか>という事でスタートしている。完璧主義なんか最初から無く、例えて言えば親が子を、爺婆が孫の成長を喜びつつヴィデオを操っているのと同じ心情で、「楽友」たちの演奏風景を演奏会に来られなかった仲間たちに広く伝えることを第一義として始めた事なのだ。

そしてそれはそれなりに一定の意義を認めてよいのではないか。今、例えば<現役たちはどんな歌を歌っているのか>という事を何人のOBGが知っているだろう?また逆に、高校や大学の現役メンバーのうち何人が<OBGたちが歌ってきた歌、あるいは今歌っている歌>について知っているだろう。

実況中継やそのArchiveができれば、これ等が「百聞は一見にしかず」で「一目瞭然」となるばかりでなく、病気や遠隔地居住や多忙さで定期演奏会に行けなかった人たちにとっても無上の楽しみとなるだろう。

 って、来年も気長に「楽友三田会インターネット中継班員募集」の案内を続け、有志の参加を待つとしよう。来たれ「若き血に燃ゆる楽友」よ!

(‘14年12月7日・オザサ)
 


生中継プラットフォーム

 ンサートの生中継:オザサが「生中継チーム要員を買って出てくれる元気のいい楽友はいないものか?」と言うので、3年前に「Ustream活用」というページを書き、皆さんからの反応を待ったのですが無反応でした。誰もメール1つ書いてくれません

現在では、身近なインターネット生中継プラットフォームとして「ニコニコ生放送」「USTREAM」「TwitCasting」ができています。

極端にいうと資材はいりません。スマホみたいな携帯電話で中継ができます。実験して見てください。スマホにはビデオカメラ機能とインターネットに繋がる機能とを持ち合わせています。実験済みで、確かに中継できました。
 

「楽友」にUSTREAMの話を紹介して、実験配信を何回か行いそのデータが今年の初めまで残っていました。Ustreamもユーザーが増えたらしく、中継した動画を保存しきれなくなって消してしまいました。

今は3ヶ月間だけ保存するポリシーになっているようです。不親切になりました。ユーザーに無断で消去するのですからすごいです。今月の編集ノートをアップしたら、「Ustream活用」の画像や説明が現状に合わなくなっているので更新しようと思います。

 デオの編集をしたことがありますか?昔はビデオは磁気テープに記録します。いらない場面を削除したり、順番を変えたりする作業を「編集」といいます。ビデオ・テープの切り貼り作業です。テープレコーダーでの録音でも編集をします。これも切り貼りです。ビデオのテープでは、画像と音とがずれています。切るのが大変です。昔のテレビ局で録画を編集するのはこういうテープの切り貼りをしていたのです。


Video Tape のカット

この話は1971年のNHK「コンピュータ講座」に引っ張り出された時、1時間番組を通しで録画するので「何故か?」と尋ねたら、「切り貼りが大変だから、通しで録画するのだ」と聞きました。その時のプロデューサーが加賀美幸子アナウンサーのご主人だった加賀美さんでした。その後、留学して学位をとり中央大学法学部の教授として情報処理関係を担当するようになり、同業者として長い付き合いになりました。

今はディジタルの世の中になりメモリーにビデオのファイルが書き込まれます。再生しながらパンチイン、パンチアウトというキーの操作一つで切り貼りと同じことができ、新しくできたファイルを別途保存すればラッシュのビデオと編集されたビデオができます。

OSFのビデオやAGFCのビデオは、カッパがPCの上でビデオの編集用のソフトを使って1曲ずつ切り出してストリーミング用のファイルに変換してYou Tubeの仕掛けを利用して「楽友」のページに挿入しているのです。大変に時間のかかる作業です。

中継になる少なくとも1ステージの間、カメラは回しっぱなしになります。実時間で見られます。そうすれば、終わったと同時に番組も終わりになり、編集作業は要りません。しかし、USTREAMの映像を保存しておいても、3ヶ月で消去です。結局、消えないように「楽友」上に残しておく作業は続けなければならないかもしれません。

インターネットというツールが生まれて、テレビの中継と同じ生中継が無料でできるのですよ。楽友会のような音楽のクラブにとっては、鬼に金棒のような道具じゃありませんか?でも、「俺がやる」と立ち上がってくれる人がいるでしょうか。気持ちだけはあっても知識と技術も必要です。難しいものです。

 能な中継方法:コンサートの生中継をテレビ局がやると、オザサがいう通り複数のカメラから映像を中継車に送り、中継車の中ではオンエアーする画面を切り替えながらテレビ局に送る。それがスカイツリーから電波となって家庭のテレビに届く。

われわれがやれることはカメラは1台とネットにつながるPC1台による中継である。PCにはUSTREAMのプログラムが入っていて、カメラからの映像と音声をネットに配信するだけのことである。もう面倒くさいから人には頼まない。やるとすればカッパ1人でやる。それも、まずはテストに来年4月のOSFファミリーコンサートでやってみよう。予告まで出してしまった。

今日の昼間にテストをしてみました。1分半くらいの配信を行い録画しておきました。Ustreamでは実況配信をして録画をしておくことができます。その録画を見てください。

⇒ http://ustre.am/:3NFbs

これはスマホを使って撮影したものです。スマホにはUstreamのアプリがあるのです。iPhoneにもありますから興味のある人はお試しください。


呉清源(1914-2014)

 碁の天才呉清源100歳で亡くなる:14歳の時に福建省から日本に渡り、昭和の碁聖とよばれた呉清源さんが11月30日100歳の天命を全うし老衰で亡くなりました。

かっぱがこのコラムで訃報を出すのは、これまでジャズ関係の人ばかりだったのに、驚かれたでしょう。つい先日、楽友囲碁サロンの紹介が中濱信生さんからされたばかりです。

私の父はアマチュアですが碁が強く日本棋院から六段の免状をもらっていました。昭和時代の棋士は親しい人ばかりでした。いろんな有名人が家にやって来ました。稽古碁をするためです。そんな囲碁好きの父は日本棋院の参与をしていました。

そんな父が大事にしていた将軍家の碁盤がありましたが、今では日本棋院に寄贈され宝物として飾られています。天地柾のすごい碁盤でした。

(2014/12/7・かっぱ)


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