ロックンロールの誕生:1950年代の半ば、1954年に乱暴な音楽がラジオから聞こえてきた。われわれがまだ普通部生だったころにビル・ヘイリーの”Rock
Around The Clock”だった。その前にも黒人のリズム&ブルースにロックンロールの起源を見ることができるのだが、この時をロックンロールの幕開けと言ってよい。
Sun Studioからロックンロールのレコードが次々と生み出された。これらはSun
Recordsというレーベルだった。プレスリーのバックを務めるバック・コーラスやバンドのミュージシャンは好いサウンドを聞かせた。ブルースコードの単純な音楽なのだが、実に上手いし格好いい。それはプロデューサーのサム・フィリップスが偉かったのだと思う。口には出さなかったがタイシタモンダと思っていた。
サムは50年代のアメリカの若者が何を求めようとしているかを掴んでいたのだろう。
Million Dollar Quartet, 1956
56年前のRock
'n' Roll Portrait:先月は54年前のJazz Portraitをお目にかけたが、今月は更に2年古いロックンロールの歴史的写真をお目にかけよう。
1956年12月4日、サムがスタジオにに4人の歌手を呼んでその日限りのレコーディング・セッションを行った。そのレコードはMillion
Dollar QuartetというタイトルのLPで海賊版も含めていくつかのレコード会社から発売された。そのセッションの終りにフィリップス自身が撮った1枚の写真が残っている。
左からJerry Lee Lewis、Carl
Perkins、Elvis Presly、Johnny Cash 1950年代のロックンロールの4人のスターだ。
私は当時、プレスリーはよく知っていたが、あとの3人は知る由もない。Johnny
Cashは80年代の後半にその名を知った。ジャズボーカルの師匠、Dolly
Bakerが歌って聞かせてくれた”Sunday Mornin' Comin' Down”というカントリーの歌を歌ったシンガーだったからである。Jerry
Lee Lewisなんてミュージカルの当日まで「底抜けコンビの片割れ」かと思っていたくらいだ。