Editor's note 2008/10
「楽友」のホームページを創刊してからはや三月。だんだん充実してきました。カッパ(若山邦紘/9期)とコンビを組んでの珍道中。わたしゃロー(老)テク、かれはハイテク。さぞ困っていることと思いきや、24時間サービスで、喜んで協力してくれるのでとてもありがたく、仕事もスムーズに捗るようになりました。
 

お陰様で、読者のみなさんも楽しんでくださっているようで、これまた無上の喜びです。岡田先生をはじめ「さぞ大変だろう」といたわってくださいますが、どういたしまして、軽いもんです!

といいきりたいところですが、もちろん、いいことづくめではありません。たまには困ることもでてきます。最大の悩みは「原稿を書いてくれない」ということです。そういう人はたいがい「自分には文才がない」「時間がない」「書くべきことがない」といって逃げてしまいます。先日は「楽友会は過去のこと。過去のことなんかどうでもいい!!」という人さえおられました。

こちらとしては、そんな人に寄稿してもらってもロクなことにはならない、と承知して早々に退散することにしています。が、とても悲しいことです。

ところがある日、そのようにいって断った人から電話があり「本当は書きたいことがある。でも、小学校の時、国語の先生にひどいことをいわれ、それ以来、文章らしい文章を書いたことがない。それで、あんなことをいったのだ」と告白されました。で、「メモを送るから、あなたがそれを基に書いてくれ」というのです。それからああでもない、こうでもないとやりとりをした後、私が「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室(新潮文庫/540円)」を贈り、それを読みながら自分で書いてもらう、ということになりました。

数日後、その人から喜んで電話があり「すばらしいmotivationだった。いい本ですねー。今、書き始めたところです。この調子なら、かねて念願の『自分史』を自費出版することも夢ではなさそうだ」とのことでした。ところが、それから2週間たっても、2カ月待っても原稿が届きません。それで催促の電話をしたところ「申しわけない。先に『自分史』にとりくんでしまったので、『楽友』は後にする」だと!!!

といった悲喜こもごもの毎日ですが、やはり「喜」の方が多い日々です。それで今後とも、編者からの原稿依頼がしつこく続くはずですが、「文章が下手」を理由に断ることだけはやめてくだされ。僅かな年金が、どんどん減ってしまいます。(オザサ/10月7日)

ひと月のたつのが早いこと、速いこと。「珍道中」とありますが、二人の歳を合計すると今年中に140を越えます。このホームページは、そんな爺さんコンビにより作成されています。世の中ではかなり珍しいことだと思います。まさに「珍道中」となります。

運動会シーズンだというので、また、編集長が面白いカッパの運動会をどこかで見つけてきました。息も絶え絶えのカッパが走っています。

運動会といえば、カッパは運動神経がグンバツでした。高校時代もリレーの選手で12秒台で走っていました。クラス対抗では決勝で負けました。しかし、映画研究会で走る人がいないので駆り出され、クラブ対抗で銅メダルをもらったことがあります。

そんな身軽だったカッパも、今では走ると上体だけが先に行き脚がついていけません。もつれると転びます。ですから、学生たちとソフトボールをやっても、のそのそとベースに歩くように走ります。何年か前から決して全力で走るようなことはしなくなりました。

印刷物は一度出してしまうと普通は訂正ができません。しかし、このホームページという出版物では訂正・追加・削除がいつでも可能です。一度書いてアップすると、自分で読み返すことになります。文章が判りにくかったり、へたくそだったり、気になることばかりです。乱丁、落丁、誤字、脱字、ミステークだらけです。そこで、毎日のように改訂・更新をすることになります。カッパのようなおっちょこちょいには、なんとも都合のよいメディアなのです。さっき直したばかりなのに、また、たった今も直しています。間違い探しだけではありません。いい写真が出てきたりすると、載せたくなります。換えたくなります。そうして、夜が更けていきます。

このホームページのトップページに「ヒットカウンター」が取り付けてあります。4分音符の並んでいるところです。9月末に2000回を越しました。おそらくは、「樂友」が気になるファンが「どうなったかなぁ」と時々開いてくれるものと思います。編集長が原稿集めに苦しんでいるところが披露されましたが、集まった原稿は、それぞれに何かがこもっています。何かとは筆者の「気持ち」です。つい、何度も読んでしまいます。そして、共感するわけです。読むたび、見るたびに「樂友」というホームページの格調の高さと奥の深さを思い知らされます。(わかやま/10月7日)


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