お陰様で、読者のみなさんも楽しんでくださっているようで、これまた無上の喜びです。岡田先生をはじめ「さぞ大変だろう」といたわってくださいますが、どういたしまして、軽いもんです!
といいきりたいところですが、もちろん、いいことづくめではありません。たまには困ることもでてきます。最大の悩みは「原稿を書いてくれない」ということです。そういう人はたいがい「自分には文才がない」「時間がない」「書くべきことがない」といって逃げてしまいます。先日は「楽友会は過去のこと。過去のことなんかどうでもいい!!」という人さえおられました。
こちらとしては、そんな人に寄稿してもらってもロクなことにはならない、と承知して早々に退散することにしています。が、とても悲しいことです。
ところがある日、そのようにいって断った人から電話があり「本当は書きたいことがある。でも、小学校の時、国語の先生にひどいことをいわれ、それ以来、文章らしい文章を書いたことがない。それで、あんなことをいったのだ」と告白されました。で、「メモを送るから、あなたがそれを基に書いてくれ」というのです。それからああでもない、こうでもないとやりとりをした後、私が「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室(新潮文庫/540円)」を贈り、それを読みながら自分で書いてもらう、ということになりました。
数日後、その人から喜んで電話があり「すばらしいmotivationだった。いい本ですねー。今、書き始めたところです。この調子なら、かねて念願の『自分史』を自費出版することも夢ではなさそうだ」とのことでした。ところが、それから2週間たっても、2カ月待っても原稿が届きません。それで催促の電話をしたところ「申しわけない。先に『自分史』にとりくんでしまったので、『楽友』は後にする」だと!!!
といった悲喜こもごもの毎日ですが、やはり「喜」の方が多い日々です。それで今後とも、編者からの原稿依頼がしつこく続くはずですが、「文章が下手」を理由に断ることだけはやめてくだされ。僅かな年金が、どんどん減ってしまいます。(オザサ/10月7日)
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