記念文集(定演プログラム)

第6回定期演奏会プログラムから

1957年11月30日/於:日本青年館


御 挨 拶

今年も楽友会の定期演奏会に、私達ワグネル・ソサィエティー・オーケストラも参加させて頂く事になり、団員一同張切って練習致して参りました。

楽友会の定期演奏会に、合同演奏を持ち出してから、もうこれで3回目になりますが、同じ学内のオーケストラとコーラスが一体となって、この様な大曲に取組むということは全国でも珍らしいケースでしょうし、又オーケストラとしてもこういう機会でもないと出来ないミサ曲の様なものが演奏出来る、という事など本当にこの合同演奏は意義のある、しかも楽しく、勉強になるものと思はれます。

そういう意味で、この基礎を作って下さった先輩諸兄姉、そして今回も出演を誘って下さった楽友会の方や指揮者の岡田忠彦先生又、今夜もこの会場に僕達の成果を聞きに来て下さり、後援して下さる皆様方に心から御礼申し上げると共に、今後一層両団員が音楽を通して、深く結ばれる事を期待致します。

ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ団員一同


高校の一部会として発足した音楽愛好会も、大学生を含めた楽友会という大世帯となり、年1回の定期演奏会もこゝに第6回を迎える運びとなりました。

音楽の美しさ、高さが媒介となって、私達一同の心が一つになり、その雰囲気の中で、出来る限りの力を発表する、そこにこの発表会の意義があると思います。未熟な演奏ではありますが、私達の純粋さと熱意とがそれを補って、合唱する喜びを直接に感じとって頂く事が出来ると思います。尚本年も亦、ドヴォルジャックのスタバート・マーテルとぃう大曲を演奏出来る運びとなりました事は、ひとえに岡田忠彦先生の良き御指導及びワグネル・ソサィエティー・オーケストラの諸兄姉初め皆様方の暖い御支援に依るものと感謝致して居ります。

又日頃私達の活動に深い御理解と厚い御尽力を賜って居ります有馬大五郎、細田道夫両先生、中野博詞、井上公三氏初め、先輩諸兄姉及び今宵御忙しい所を御来会下さいました皆様方に心から御礼を申し上げますと同時に、今後も引続き楽友会を暖く見守って下さる事を心から御願い申し上げます。

楽友会々員一同



第6回定演プログラム
表紙デザイン: 井上 公三


出演者リスト(クリックで拡大)

第6回定期演奏会(57年11月30日/於:日本青年館) 演奏会終了後の全員の写真
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編者注: 楽友会は、第4回から第10回定期演奏会までワグネル・ソサィエティー・オーケストラの賛助出演を得て、そのメイン・ステージのオケ付き大曲を飾りました。

ワグネルにはワグネルとしての演奏会計画があり、スケジュール調整に多大の困難がありましたが、同じ塾内の音楽団体であるという誼と、両者をつなぐ村田武雄先生(ワグネル部長・楽友会理事)のお骨折りで、総合大学としては稀有の、音楽を絆とした連帯が実現したわけです。

ちなみに、ワグネルの第1ヴァイオリン奏者のお一人・中濱祐子さんは、楽友会の中濱信生(5期)・鐡志(9期)兄弟の姉上であると同時に、楽友会2期の女声陣と女子校時代の同期生でした。こうした縁もあり、両者の関係は非常に緊密でした。(オザサ)


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