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楽友会名簿物語シリーズ その4

1998

慶應義塾楽友三田会名簿

 


 
 楽友編集部 若山 邦紘


前稿にでは1979年の名簿でしたが、それから19年。表紙が変わっています。「三田会」のみと入りました。

最後に大学現役の名前は入っていますが、高校・女子高関係は連絡先1つさえありません。

今流の言葉でいえば「リンクもしていない」・・・つまり、無視しているということです。当時の役員の方々、そういうことではありませんか?

大学の楽友会会員は楽友三田会の予備軍と考えていたのですが、高校・女子高の楽友会生徒は赤の他人だったのですよ。したがって、高校からの大学楽友会進学者が極端に減ってしまいました。これは大学生のせいでなく視野の狭い楽友三田会のせいであります。

楽友三田会規約の中身がこの年に改訂されました。亜星さんたちは0期生⇒1期生⇒0期生⇒会友と変遷しました。卒業期の呼称問題が規約「第5条の2」にはっきりと定義されました。

「会友」という言葉の意味は「会員と同等の扱いだが『会員』ではない」ということだ。改めて規約を見てカッパはたまげている。どこかがひん曲げられた結果としか読めない。

あの世代の長老たちは最年長だが1期じゃない。だから「会友」でお願いしますという話だ。大学卒業年を使えば「0期も1期も会友も無くなるのに」

高校のOB/OG会は高校卒業年を使えばよい。楽友三田会の期も併用したりしないでほしい。長老は会友の2乗になって「会友会友」です。ばかばかしい!おれは会友なんていやだよ。1959年卒でいいじゃないか。

大学の楽友会合唱団を運営する理事会というものができて、合唱団のアドバイサリー機関となっている。ここには楽友三田会から推薦された理事が参加している。

OB/OGが大学楽友会の運営や方針について、外側ではいろいろ言っているのを聞く。例えば、モーツアルトのREQUIEMは4年に1度は定期演奏会で歌うことが伝統とされてきた。それを守ってきた先輩たちは怒っている。多分、そういう話は理事会では出てこないのでしょう。何か言うと角が立つから黙っている様子が手に取るように見えるのはカッパだけではない。

楽友三田会の代表幹事は、79年の名簿では卒業年だったのが、すべて「会友」と「X期」になっています。氏名空欄は三田会予備軍である現役の期が書かれています。

物議を引き起こした「0期問題」はこんな経緯で「会友」という名称になって現在に至っている。

郵便番号は7桁になりました。

E-mailのアドレスが書かれるようになっている。1980年代の終わり頃に慶應、東大、東工大の3大学がNTT専用回線で接続し、JUNETというネットワークが作られ、E-mailの送受信が実験的に始まった。そこに各大学が次々と参加してネットワークは全国的なものになり、90年代には大学や企業だけでなく、一般家庭でも電話線や有線テレビで接続し、E-mailが使えるようになった。

同時にインターネットという情報ネットワークが出現し、情報を得るために図書館に通った人がネットから瞬く間に情報や映像が手に入るようになった。昔だったら何ヶ月もかかる資料集めが、一晩でできてしまう世の中になった。これがインターネットがもたらした情報革命である。

カッパは90年代後半にホームページを作り始めた。諸外国の有名人からメールが来た。情報発信の便利な道具だ。楽友三田会のホームページを作れば常に新しい情報が手に入る。過去の出来事も上手に整理しておけば、すべての情報が共有でき、さらに楽友会の外側への情報発信基地となる。そこで、会報係に「ホームページを作ってみようか?」と言ったら、誰もがパソコンを持ちインターネットにつないでいるわけではない・・・没!というわけで、頼みに来たってもう作らないぞ、と腹に決めていた。

確かにこの時代にメールアドレスを持っている人はわずか。インターネットを見ている人もわずかでした。しかし、2000年の声を聞くとパソコンも安くなり家庭にもインターネットが普及してきた。それでもカッパは会報係に再度「ホームページを作ろう」とはついに言わなかった。70歳になったオザサが「ホームページビルダーを買ってきた」と言いました。その一言が頑固なカッパを落としたのだった。

現役の4年生である。卒業すると43期生になる。学校のメールアドレスをもらっているのが分かる。

この名簿にも索引のページがあるが、旧姓で索引することができないのは不便だ。昔の名前しか知らない女性が多いのに。何と16年後(2014年)になって改善されるが、遅すぎやしませんか?

最後に住所変更・電話・メールなどの変更届けのはがきが綴じこまれている。

楽友三田会会長兼事務局長の清水康昭君の時代に編集された90年代最後の名簿である。(2014/5/14)

1952年初代名簿  1977年名簿  1979年名簿  2011年名簿


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