随想 岡田 忠彦
有馬先生がご病気の為、2回程先生から拝聴したお話により、先生のご感想を代筆してくれるようにとのことで、小生誠に困惑していた処、その原稿を、特に、ご多忙でその上ご病身にも拘らずお送り下さいましたので、小生が如きがそれをアレンジするよりも、原文のエキスのまま掲載させて頂く方がより賢明と信じ、一応お引き受けはしましたが、原文のまま掲載させて頂くこととしました。
演奏についての感想となりますと、あくまでも比較的ですが、昨年より余程良い意味でも、悪い意味でも後に残るものがありました。割合に印象があったという訳です。皆さんや、吾々の目指す航路に船出したという感じです。無限に続くべき航海です。協力一致して進みませう。
小生自身、具体的感想も種々ありますが、演奏はそれ自身が全てですから、何も云う(云訳を)余地は、更にありません。自分でも具体的に「あそこはこう」「ここはこうすればよかった」と思う処が多々ありますが、更に多くの人の意見を聞かせて頂いて、反省の材料をより豊富にし、今後に生かしたいと思います。云うより聞いて、より深い自己批判をしたいというわけです。被告人ですから。
フォーレの宗教的芸術作品を、未熟な吾々がケガしたことを恐るるのみです。作品を使用させて頂き、私個人深い感謝を懐いております。修業の途上にある学徒ですからお許し願えれば幸いと存じます。尤もその感謝のマトが合っているかどうか、甚だ不安ですが、マトを合わせるように反省に努力することが、今後に残された使命であり、私の仕事の一つと信じます。
尚当日、ご多忙の処お出かけ下さいました有馬先生、川島先生(編注:塾監局長)、佐々木(編注:女子高教諭・愛称ニヤチャン)の諸先生を始め、ご家族の皆さんに厚く御礼申し上げます。
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